隣は空席のまま…
第3章 記憶の中の甘いズレ
「――――ごめん…いきなり訪ねて…」
「―――――…うん…」
隆太は、私の部屋を見渡し…
「変わってないな…」
と、ソファに座る――――…
変わっていないわけが無いのに…
隆太は、そんなことを言う――――…
まだ、知っている…私でいてもらいたいのだろう
「――――そうだね…」
なら、今だけでも…当時の私でいよう…
コーヒーを煎れながら…背中で…彼の気配を感じとる…
後姿…見られてる?
見られても良いように……背筋は伸ばしておこう…
笑顔でいよう――――…