隣は空席のまま…
第3章 記憶の中の甘いズレ
奥さんのいる男性を部屋に――――…また…
招き入れてしまった――――…
私は、学習能力が…無いのだと…改めて実感した…
「―――どうした?元気――――ないな…」
隆太は、私の後ろ姿で…喜怒哀楽を当てるのが上手かった――――…
そうだった――――…
私は、隆太に隠し事が出来なかったのに…
隆太は、私に隠し事ばかりしていた――――…
「――――あっ…そうね…
もう、奥さんのいる人を部屋にあげないって――――決めたのに…私は、ばかだなって――――…思っただけよ――――」
隆太は、目を一瞬開き…私の発言に「――ん?」と、頭をひねる…
「――――彩芽…ごめんな…俺が……智子を選んだから――――…自暴自棄になってたのか?」
ソファのきしむ音がする――――…