隣は空席のまま…
第1章 嘘つきの魅力
夜の…10侍…
恋人達が盛り上がる時間帯―――…
彼は、来た時と全く同じ姿に巻き戻り―――…
「彩芽…愛してるよ――…」
と、平気で嘘を置いて…私の部屋から出ていく…
パタン―――――…
と、玄関の閉まる音が……
終了を告げる――――――…
「ねぇ――――…奥さんと…子供より……
愛してる――――の?」
玄関の扉に話し掛けても…
返事は無い………
いつもは…一人で過ごす…マンション
寂しいとか…寒いとか…
思わないのに…
この…終了の音を聞くと…
ただただ…
虚しく…寂しくなる…