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カラダからはじまった愛は

第1章 転勤

 2番ブースにお茶出しを終えた私に総務の山田ちゃんが、「白井さん、仙台に転勤ですって!」と教えてくれた。『白井哲』デザイン課の彼とは彼がお客様との打合せの時にお茶を出すくらいで、2人で話したこともほとんどない、遠い存在だった。

 ただ、夫の束縛や横暴な振る舞い、金遣いの荒さに疲れ果てていた私にとっては、彼の優しい笑顔をなんとなく見ているだけで穏やかな気持になっていた。

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