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カラダからはじまった愛は

第8章 ひとりきり

凛とした夜風にあたり空を仰いだ。煌々と光る三日月ときらめく星たちが、今までとは違う私だけの世界を感じさせてくれた。

夫からのDVやモラハラ。誰にも言えずそれが当たり前と思い過ごしてきた日々。常に夫の言動に従い従わされてきた。

兄に連れ出され家を出て2週間。実家での生活は決して心から落ち着けるものではなかった。両親も義姉も優しく、ゆっくりしたらいいよ、といたわってくれた。けれど、ただ過ごすことも自分の居場所とは感じられず、早く働かないと、そんな焦りにも似た気持ちだけがあった。

住むところと働くところ…

そんな条件で仕事を探していた。
「派遣で工場」サービス業の経験位しかない瑠衣にとっては不安でしかなかったが、むしろ人に接しないでいられることの方が、今の瑠衣には安心できた。

実家を出て、誰も知る人がいない土地のワンルームで瑠衣は新しい暮らしを始めた。
それは、今までの抑圧から解き放たれた自由な時間だった。

ひとりきり…

それでも、瑠衣は生まれ変わったように世界が別のものに感じられていた。
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