テキストサイズ

リアル

第12章 10

この間、会社のエレベーターで偶然社長に会って言われたんです。



入社して三ヶ月経つのに何の成果も上げてないって。



私この仕事合ってないんですかね?




亜美がゆうに聞くと





社長、見る目ないな。




細かい仕事全部亜美さんがやってるし。間違いもなかったスピードも申し分なかった。



派手な結果報告だけあいつら(男)が持って行くから、亜美さんが何もしてないように思われただけだよ。でも現場の皆はどれだけ頑張ってるか、知ってるよ。




亜美さんの事を思うなら、手を出さず、見守ってやれんのかね。




まあ、可愛いから手貸したくなるんだろうけど。




助けてやってるつもりか知らんが、助けられてるのは彼奴らの方だけどね。




(ゆうさん、見てくれてたんだ…)




ゆうの言葉を聞き、亜美は嬉しくなって鼻がツンと痛くなった




(ほんとに凹んでたから、仕事できる人に言われると嬉しい…)





それに社長、亜美さんが入社する前朝礼で褒めてたよ。




え?何て?




会社始まって以来の美人が来るって。




えー!あの厚化粧ババアが?!




亜美の声が大きくなる




ゆうがそれを聞いて、フフッと笑った




その点の社長の目は間違ってないよ。男連中も浮き足立ってたからね。




もぅー!やだー!逆に怖い!




亜美が震え上がるフリをしてみせた。







ストーリーメニュー

TOPTOPへ