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知らない世界

第10章 やきもちからの・・・

家が近づいてきた。
今までは“またしばらく会えない”なんて考えたりしたけど、そんな心配はもうない。


「俺がいなくても、いつでも部屋に来ればいいからな。
電話もいつでもかけてきていいから。
まぁ、すぐにでられないことのほうが多いけど」

「うん・・・でもさ・・・」

「でも何だよ?」

「突然、キレイなお姉さんが来たりしない?」

「呼ばない限り来たりしないよ。
鍵を渡したりもしてねぇし」

「その・・・最近も呼んだりしてたの?」

「最近は呼んでない。
そうだな・・・お前と初めてキスしてからは全然呼んでないよ」


俺にとっては、結構最近の事に思えるけど。


「これからは?・・・呼んだりする予定は?」

「もう呼ぶ必要なんてないだろ?
お前がいるんだからさ」


暗くなった俺んちの駐車場に車を止め、体をのりだしキスをした。


「さぁ、店まで行くよ。
お袋さんに挨拶しないとな」


オープンしている店に入り、丁寧にお袋に挨拶をして、帰っていく櫻井さん。


「そんにも大事な話だったの?」

「まぁ、かずの事でね・・・ちょっと」

「潤、ビール1本くれないか?」

「はいよ!おっちゃんちょっと待っててよ」


ポケットに鍵を入れたまま、手伝いを始めた。



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