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知らない世界

第11章 かずの心の準備

あれから俺は時々、櫻井さんの部屋に行ったりしている。
もちろん、店の手伝いがないときだけだけどね。
手伝いがあるのに来ていたら、逆に櫻井さんに叱られてしまうからね。

部屋に行って何をするかと言うと・・・
特別何かするわけでもない。
部屋が散らかっていれば掃除したり、お袋に教えてもらったちょっとした料理作ってみたりして、帰りを待ってたりしてる。

俺が作った料理を一緒に食べて、ひとしきり話をして、そして・・・


「潤、おいで・・・」

「櫻井さん・・・」


抱き締められ、キスをする。
そして家まで送ってもらう。


「いよいよ来週、修学旅行だな。
と言うことは、来週は会えないんだな」

「そうだね」

「これ小遣い、足しになるだろ?」

「いいよ、こんなことしてもらわなくても、自分の小遣いあるからさ」

「いいから持っていけよ。これでうちの若い連中に何か食うもんでも買ってきてやってくれ。
もちろんお袋にさんと、常連客にもさ」

「うん・・・じゃあもらうね。
ありがとう、櫻井さん。
組のみんなにお土産買ってくるからね」

「そう言う経験ないやつばっかだから、連中喜ぶよ」







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