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知らない世界

第11章 かずの心の準備

「これはお袋の分と、これとこれはお客の分。
それでもってこれとこれは組の人達の分」

「組の人達って、かずんとこのだろ?
よく出入りしてんのか?」

「と言うか、組の人達がよく飯を食いに来てくれるから、それでね」

「あぁ、そうなんだ・・・
それじゃぁたくさん土産いるね」

「まぁね。
怪我したときも、世話になったし・・・あっ!」

「どうした?」

「いやっ・・・何でもない・・・」


お土産売り場の端っこに置いてあるものが目に入り、思わずじっと見てしまった。


「何か買い忘れたものでもあるの?」

「いやっ、そう言う訳じゃないんだけど・・・
部屋に行こう」


目に入った物を買おうかどうしようか迷いながら部屋に戻った。 


「あんなの買っても、いい大人が喜ぶわけないか?」


そんなことを考えながらお土産と、荷物の整理をしているとかずが部屋に帰ってきたら。

どうしようかな・・・聞いちゃおうかな・・・


「潤、お土産売り場とかロビーの人が落ち着いたら、一緒に来てくれる?」

「あっ、あぁ・・・わかった」


あれっ?
さっきの子は違ったの?
それにしても俺・・・着いていっていいのかな?



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