テキストサイズ

知らない世界

第18章 会いたくて

翔さんと会うことができなくなってから、どれくらいなるだろう。
寂しさが頂点を達していた俺。
そのころ、お袋が長めの店を休み、友達と旅行に行くことになった。


「あっ、そうだ!」


俺の頭にあることがよぎった。



「会いたいな・・・」


何かあったらいけないから・・・
そんなことを言っていた翔さん。
でも俺はかたぎの人間。
組同士で何かあっても、俺達に被害が及ぶなんて考えられない。


「でも翔さんが俺の事を心配してくれて、寂しい気持ちを抑えながら、約束したし・・・」


店がお休みの間、家には俺1人。
いつ出掛けて、いつ帰っても誰もいない叱られる心配はない。
目的もなく、フラフラと出掛けた。


「マンション・・・行ったら駄目かな」


本屋、服屋、ゲーセン・・・
どこへ行っても、俺の頭の中は翔さんの事で一杯。
カフェで1人、お茶しながら携帯を握りしめる。
画面は翔さんのアドレス。


「電話・・・かけてみようかな。
だけど、忙しいだろうな」


コーヒーを飲みながら、貧乏揺すりが激しくなる。


「駄目だ!どんどん翔さんに会いたくなっていくよ」














ストーリーメニュー

TOPTOPへ