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知らない世界

第19章 浮気?

大野さんも俺に話しかけるわけでもなく、俺の作ったつまみを食べ、ビールを飲んでいる。
何も考えられなくて、ジュースを飲みながらボーッとしていると、ビール瓶を置く音でハッと我に帰った。


「あっすみません、もう1本出します?」

「うぅん、もういいよ。
ところで潤、何かあったのか?」


翔さんのマンションでのことが、一気に頭の中によみがえった。
寂しくて悲しくて、そして腹立たしくて、カウンターにうつ伏せた。


「何かあったら話してみろよ」

「ねぇ大野さん・・・」

「何だ?
俺でお前の力になれることだったら、何でもしてやるよ。話してみろ」


俺はうつ伏せたまま、しばらく黙っていた。


「おい潤、黙っていないで話してみろよ」


ゆっくりと顔をあげた。


「1つ聞いてもいいですか?」

「いいぞ、言ってみろ」

「大野さんまだ・・・俺の事好きですか?」

「えっ!?なっ、何だよ急にそんなこと聞いて」

「だから、俺の事好きですか?」


真顔で大野さんの顔を見つめた。
大野さんも真顔で俺をじっと見つめた。


「あぁ、好きだよ。
そう簡単に諦めきれるわけがないだろ」


その言葉を聞いて、俺は下を向き目を閉じた。

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