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知らない世界

第20章 いわゆるカチコミ

「ヤバい寝ちまった・・・
あっ、こいつ昨日兄貴を狙ったのか、姐さんと店から出てきたところ、近付いてきたんだよ」

「こいつまだ高校生くらいだろ?」

「二宮んとこのガキと、友達らしいぜ」

「まさかこのガキ、一人でカチコミにでも来たんじゃないだろうな?」

「わかんねぇ。
ただ兄貴は自分に考えがあるから、事務所に連れていけって、昨日からここに縛り付けてるんだよ」

「ここは邪魔だから、兄貴が来るまで奥の部屋にでも連れていけ」


昨日の男が俺のロープは外した。


「こっ、こっちへ来い!」


奥の部屋に連れていかれた。


「また暴れだすといけねぇから、机にでも縛り付けておけ」

「おぉ・・・」 

「なぁ、あまり痛くしないでくれよ」

「うるせぇ、黙ってろ!」


おもしれぇ、こいつまだ動揺してるよ。
俺を縛り終えた男の服を掴み、唇が付きそうなくらいに引き寄せた。


「俺とデキなくて、残念だったか?」

「そっ、そんなこと・・・」

「俺の体、その辺の女よりいいぜ。
また触ってみるか?・・・はぁ・・・」


甘い息を吐き、男の耳をひと舐めした。


「ばっ、バカにすんじゃねぇ・・・バシッ!」


俺を平手打ちして、部屋を出ていった。



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