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知らない世界

第21章 人質?

「兄貴、お帰りなさい」

「お帰りなさい、兄貴。親父さんは?」

「自宅に送り届けたよ」


今日は親父さんの退院日。
俺と大野で病院へ迎えに行き、自宅まで送り届けた。


「櫻井の兄貴、朝若から電話がありまして、潤が昨日から連絡取れなくて、今日も学校に来ていないそうなんです」

「何、潤が?」

「・・・!」

「誰か手が空いている者に、家まで様子見てこいって。
兄貴の指示をもらってからと思って待ってたんですけど・・・」

「わっ、わかった。おっ、俺が行ってくる」

「兄貴、俺が見てくるんで兄貴は事務所にいてください」

「いやっ、俺が行ってくるよ。留守を頼む」


事務所を飛び出した。


「いってらっしゃい、気をつけて」

「俺も行ってくる」

「いっ、いってらっしゃい」


俺の後を追うように、大野が事務所飛び出してきた。


「兄貴、俺が運転していきます」

「お前は残ってろ!」

「俺も行きます。
俺が行っていけない理由でもあるんですか?」

「そういう訳じゃ・・・」

「じゃあ兄貴乗って・・・急ぎましょう」


潤にもしものことがあったらどうしよう。
嫌な予感しかしねぇよ。



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