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知らない世界

第21章 人質?

大野の運転で、潤の家に向かった。


「兄貴、何か落ち着かないようですけど」

「そうか?
でも昨日から連絡取れないって言うのは、気にはなるな」

「心配ですか?」

「そりゃそうだろ。
雅紀も知らないってことだろ?
その雅紀とも連絡取れないってことは、何か悪いことに巻き込まれていなければいいんたけど」

「それだけですか?」

「大野、どういう意味だ?」

「いや、別に・・・」


大野の言葉、何か引っ掛かる。
でもそんなことより、潤はどこへ行ったんだ?
昨日の事で、何かやけになっていなければいいんだけど。
車の中でも電話をかけ続けた。


「兄貴、どうです?」

「駄目だ、呼び出してはいるけど出ない。
あいつ着信音、小さくしてあるから」

「えっ?何が小さいんですか?」

「いやっ、何でもない」

「・・・?」


潤の家に到着。
俺は車を飛び降りた。


「店は鍵がしてある・・・2階は?」


外の階段を駆け上がり、ドアをノックした。


「潤・・・潤・・・」


返事はない。
階段を下りていくと、ポストの前で大野がじっと立っていた。


「何してる?手がかりでもあったのか?」

「いえっ、別に・・・」


ポケットに何かをしまった。



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