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知らない世界

第22章 解放

翔さんを抱え車に乗り込み、事務所に向かった。


「兄貴はマンションに戻ってください」

「バカヤロ!俺だ休めるわけねぇだろ。
いいから事務所へ行け!」


こんなにやられても、自分の事より組が大事なんだ。


「あれっ?兄貴、事務所の回りにサツ(警察)ウロウロしてます」

「クソッ・・・」

「俺ん家に行ってください」

「えっ、お前ん家?」

「警察がウロウロしているのに・・・
今日のところは事務所もマンションにも帰らないほうがいいんじゃねぇ?」

「兄貴、潤の言う通りにしたほうがいいんじゃないですか?」

「いいのか?」

「いいよ」


事務所から離れ、俺の家まで行ってもらった。


「兄貴、俺達は事務所に向かいます。
親父さんには伝えておくので、今日は潤のところでゆっくりしてください。
明日また伺います。潤、あと頼むな」

「はい、ありがとうございました」


鍵を取りに、ポストを開けた。


「えっ・・・ない!」

「どうした潤」

「家の鍵が無いんだよ」

「鍵って、これのことか?」


ポケットから出したのは俺の鍵。


「何で翔さんが持ってるの?」







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