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知らない世界

第22章 解放

「翔さん大丈夫?しっかりして!」


俺より背の高い翔さんを抱え、病院の中へ連れていった。
俺のせいだ・・・俺のせいで翔さんが・・・
処置室に入っていく翔さんの後ろ姿を見て、廊下の椅子に座り込んだ。


「潤、お前も見てもらえ」

「俺は・・・いい」

「何言ってるんだ!そんなにもやられて。
俺達が後で兄貴に叱られるよ。来いっ!」


若い人に引っ張られ処置室に入った。
自分がやった事の重大さに、ただただうなだれるだけ。


「ありがとうございました」


処置が終わり、胸を包帯で巻かれた俺は、また廊下で座って翔さんが出てくるのを待った。
しばらくすると処置室から翔さんが若い人にささえられ出てきた。


「翔さん・・・」

「何だよ潤、情けない声だして」

「だって・・・俺のせいで翔さん・・・」

「大丈夫、たいしたことない。
こんなこと珍しいことじゃないから」

「でも背中も真っ赤に・・・」

「それはこの前やられた傷が開いただけ。
何だ何だ、お前ほどの男がこれくらいのことでビビったのか?」

「ビッ、ビビってねぇよ」


本当はあの時、腰が抜けそうなくらいビビった。










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