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知らない世界

第25章 かずのお父さん

「お~す!」

「松・本・君?」


教室に入ると、すでに登校していたクラスの連中が一斉に振り向いた。

松本君・・・松本・・・
あっ、松本君が着た・・・

俺が登校して、みんなが大騒ぎする意味が全くわからなかった。


「じゅ~ん!」


そんなにも広い教室じゃないのに、思い切り駆け寄ってきたかず。


「イテッ!・・・痛い、かずイテェよ」

「あぁ、ごめん・・・大丈夫か?
うちのに潤が怪我をしたって聞いたけど、どうなんだ?そんなにもひどい怪我なのか?」

「ちょっと待て、まず落ち着けかず。
イテェ・・・まさにここなの。右肩から胸を切られたの。
心配してくれるのはありがたいけど、イテェよ」

「ごめん。
みんなも心配してたんだよ、ヤ○ザっぽい連中に連れていかれたって言うからさ」

「みんな、ありがとう。
心配させて、わるかったな。
かず、お前んとこにも親父さんにも迷惑かけちゃって、本当にごめん」

「そんなこといいよ。
そう言えば、櫻井が世話なになったみたいで、こちらこそ悪かったな」

「・・・!!
助けてもらったんだ、それくらい当然だよ」

「どうした潤、顔赤いぞ」

「なっ、何でもねぇよ」




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