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知らない世界

第26章 お仕置き

ープープープー・・・ー


当たり前だけど、スピーカーにしてあったから俺の狭い部屋に、翔さんの“愛してるよ”の声が響いた。
俺みたいなガキが使うことも、使われることもない言葉。
口にするのは、せいぜいカラオケで歌詞に入っていればするくらい。


「俺の事、愛してるって・・・どういう事?
“惚れた”とは言われたことはあるけど・・・」


パジャマも着ないで、裸のままベッドに潜り込んでいった。


「“惚れた”っ言うのは“好きになった”っことだよな?
じゃあ“愛してる”ってことは、え~と・・・
ヤバい!超ドキドキしてきた。本人いないのに」


こんなドキドキどれくらいぶりだろ。

ー愛してる・・・愛してる・・・ー


「くそぉ・・・ドキドキして全然眠れないよ」


嬉しいような恥ずかしいような、何だかよくわからないこの気持ち。
俺は翔さんの事、どう思っているのかな?


「もちろん好きだよ、大好きだよ・・・?
大好き?・・・それだけ?」


大好きなんて言葉で済ませてはいけないような気がする。
じゃあどうしたらいい?
もしかしてこれが・・・


「もしかして、こう言う気持ちが“愛してる”って事なのか?」



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