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知らない世界

第27章 戻った生活

あれから間もなくして、かずのお父さんは東会とか言う会長になった。
それが俺にとってどれくらい重要な事なのかは、全然わからない。
色々迷惑かけたから、なれて良かったのかなくらいにしか思えない。

かずの回りも俺の回りも、今まで通りになった。
つるんで遊びに行ったり、うちの店に組の人達が来るようになったりと、また賑やかさが戻った。

そして月日が流れ、高校生活最後の冬休み直前、
進路の最終決定をすることになった。


「かず、お前組継がねぇの?」

「俺は二代目になるつもりはない」

「じゃあ、お父さんに何かあったらどうするつもりなの?」

「俺、二代目には櫻井に継いでもらうのが、一番いいと思ってるんだ」

「翔さんに?でも引き受けるかなぁ?」

「俺にはみんなを束ねる力はないよ。
ただ息子ってだけでみんな付いているだけ」

「そうかなぁ?
みんなお前の事、慕ってるように見えるけど」

「ただ組は継がないけど、うちがやっている仕事はやろうと思ってる」

「でもそれって、二代目になるのと一緒じゃねぇの?」

「う~ん・・・だから、そっち方面は櫻井、仕事は俺って言うか・・・」

「まぁ、お前達の世界はわかんない」






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