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知らない世界

第31章 一緒の安心感

閉店30分前、俺は大野さんに電話をかけに奥の部屋に行った。


『もしもし潤です。
もうすぐ終わるので、お願いしていいですか?』

『わかった。
でも俺、ちょっと行けなくなったから、他の者に行かせるよ』

『他の人に来てもらうなんて、申し訳・・・』

『大丈夫。少し遅くなるかも知れないけど。
楽しみにしてろ』

『すみません』

『またしばらくお前に会えなくなるな』

『大野さん・・・
俺、大野さんの事好きですよ。翔さんとは違う好きですけど、でも大好きです。
ありがとうございました』

『その言葉だけで、生きていけそうだよ。
じゃあな、たまには連絡してこい』

『はい、それじゃあ・・・』


電話をきり、店に戻った。
楽しみにしてろってどういう事なんだろう。
かずがついてくるとか?


「あっ、潤君いたいた。
も~、すぐにどっかいっちゃうんだから」

「すみません、ちょっとトイレに行ってて」

「お腹の調子でも悪いの?」

「違います違います。
あっ、もうビール空ですよ。お出しします?」

「どうしよっかなぁ・・・
もう1本もらっちゃおうかな」

「は~い、少しお待ちください」

「潤君、俺もちょうだい!」

「は~い!」

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