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知らない世界

第31章 一緒の安心感

いつものように最後のお客さんを見送り、にぎやかな1日は終わった。


「おい潤、大野さんいつ頃来るって言ってた?」

「少し遅くなるかもしれないとは言ってました。
それに今日は用があるので他の人が来てくれるそうです」

「みんなが協力してくれるなんて、本当にお前はあの組の人達に好かれてるんだな」

「そんな事ないですよ。
でもまぁ、組の人達には親切にしてもらってますね」

「ありがたいことだな。
もういいぞ。迎えに来るまでゆっくりしてろ」

「はい」


エプロンをはずし、奥の部屋で迎えに来るのを待った。


「お~い潤、残り物だけと持っていくか?」

「はいっ、ありがとうございます」

「適当にタッパーに詰めておくぞ」


友達からきたLINEに返事をしたりしていると、迎えに来た事に気が付かず、そのまま寝てしまった。


「お~い潤、迎えにみえたぞ。
潤・・・潤・・・あれっ?」


座ったままではなく、カバンを枕に寝ている俺。


「奥の部屋にいるはずですけど・・・」

「見てくるよ。
潤・・・じゅ・・・
そんな格好で寝てたら風邪ひくぞ」


頭を優しく撫でる。


「ん・・・」


何だか心地いい。

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