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知らない世界

第4章 仲直り

「わ・・・か?」

「どうした櫻井、怖い顔して」

「何してるんですか?」

「見ての通り、コーヒー飲みながら話してるんだけど」


急に俺の肩を掴み、顔や体を見回した。
そして俺の顔をじっと見た。
俺は黙ってうなづいた。
どうしよう、またドキドキしてきたよ。


「松本は櫻井に用があって来たんだ」

「俺に用って?」

「えっと、あの・・・
これ、お借りしていた服・・・返しにきました」

「あげるって言っただろ?
わざわざ返しに来なくてもよかったのに」

「どうしても持ってきたくて・・・
てか、ちゃんとお礼を言わないとって」

「そっか・・・ありがとう」

「ありがとうございました・・・あっ」


差し出した服を受け取るとき、軽く手を握られた。
憧れの人に手を触れられた女子のよう、ドキッ!!とした。


「どうした松本、何緊張してんの?」

「いやっ、緊張なんて・・・
何と言うか、どう接していいか・・・」

「なぁんだ、普通でいいよ普通で。
やんちゃそうな顔してるけど、やっぱ可愛いなお前」


超恥ずかしいんですけど。
でも何となく、嬉しかったりして。

・・・嬉しい?
どうしてなんだろう。


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