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「俺、本当は・・・」


幼稚園や小学生の頃の話をし始めた。
仲良くしていた友達が、自分から離れていってしまったこと。
自分がヤ⚪ザの息子だと知ると、遊んじゃ駄目だといって、気がつくといつも１人。
寂しさがいつのまにか悔しさに変わって、舎弟を連れて、悪いことばかりしていたって。


「俺、普通に友達と遊びたかっただけなんだ」

「何かわかるなぁ・・・」

「何で俺の親父はヤ⚪ザなのかって、こんな思いをするのは親父のせいだって思った」

「俺も親父がいなくていじめられて、悔しくて殴りかかったんだ。
俺もそれから、目が合うとケンカしてた」


俺も小さい頃のいやな思い出を話した。


「本当はみんなと話したいんだ。
でも悪いことばかりしてきたから、みんな警戒しているみたいだし・・・」

「大丈夫、少し時間はかかるかもしれないけど、
話せるようになるよ。
それが証拠に、今俺としゃべってるだろ？」

「お前・・・いいやつだな」

「思うほどいいやつじゃねぇよ」


笑いながらコーヒーを飲んでいると、廊下を勢いよく走る音がした。


「若、失礼します」


ドアが勢いよく開くと、そこに櫻井さんが凄い顔をして立っていた。