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知らない世界

第33章 逆恨み

「わかった、今行く。
潤、櫻井の様子を見てくるよ」

「あっ、あぁ・・・」


よかった、助かった。
あんなこと聞かれて、何て答えればいいんだろう。
それにしてもいつ退院できるのかな?
俺は大したことないけど、翔さんは出血がひどかったって言ってたな。
俺が翔さんといたら、翔さんにも組の人達にも迷惑かける。
あのとき、勝手にカチコミ行ったときも、この前のボディーガードしてもらったことも、組の者でもないのに親切にしてもらって。
このまま一緒にいたら、またいつか迷惑かけることになるかもしれない。


「俺は翔さんと一緒にいちゃ行けないんだ。
一緒にいちゃ・・・」


俺は目を閉じた。
また眠ってしまったのか、目を開けたら外は薄暗くなっていた。


「お~い潤・・・」

「あっ・・・ごめん、また寝ちゃったみたい」

「いいよいいよ。
俺達帰るから、また明日来るよ」

「今日は悪かったな。
他のみんなにもよろしく言っておいてくれ」

「んっ・・・うん、わかったよ」


隣で“?”な顔をする大野さん。


「うちの若いのを念のためにおいておくから。
何かあったら言えよ」

「はい、ありがとうございました」


若い人を2人残して、大野さん達は帰っていった。






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