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知らない世界

第33章 逆恨み

「あっ潤、目が覚めた?」

「かず・・・ここ病院?」

「そうだよ、櫻井のマンション出てすぐ、気を失ったんだ」

「それで翔さんは?翔さんは大丈夫なの?」

「出血がひどかったけど、命に別状ないって。
隣の部屋でまだ眠ってるよ」

「そっか・・・よかった」

「お前の腹の傷は大したことないらしい。
お前がなぜか手にしていたクッションが、まさにクッションになって深く刺さらなかったみたい。
腕の傷のほうが深いから・・・」

「しばらくバイト行けないですね。
大将に連絡しなくちゃ」

「いいよ、俺から連絡しておいてやるよ」

「大野さん、すみません」

「そんなこと気にするな。ゆっくり休め」

「はい」

「俺、兄貴の様子を見てきます。
若、潤のことお願いします」

「おぉ・・・」


俺はまた目を閉じた。


「潤、俺と友達になったばかりにこんな思いさせて・・・ごめん」

「お前のせいなんかじゃないよ。
俺があのとき軽はずみな事しなければ、組にも、翔さんにもひどいケガはさせることはなかったんだ」

「ところで潤、お前どうして櫻井の・・・」

「あっ若、櫻井の兄貴が目が覚めました」






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