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知らない世界

第4章 仲直り

「・・・ていうか、あそこに住んでるんじゃないんですか?」

「住んじゃいないよ。泊まる事はあるけどな。
それに、何となくお前ともう少し話がしてみたくてね」

「話し・・・ですか?」

「まだ時間いいか?」

「手伝いがあるので・・・」

「そっか・・・じゃあ、お前んとこの店に、飲みに行ってもいいか?」

「どうぞどうぞ、来てください。
あっ、でも飲酒運転になりますよ」

「大丈夫だよ。お前結構真面目だな。
今日は晩飯の心配しなくてすむよ」


真面目と言われ、ちょっと照れくさかったりして。


「やっぱお前、可愛いな」


頭を撫でられ、走ってもいないのに心臓バクバクで、軽く呼吸困難。
そんな俺の事を櫻井さんは、優しい笑顔で見つめた。

店に着き、車を降りようとしたとき、櫻井さんに手を握られた。
驚いて振り返ると、さっき見せた優しい笑顔ではなく、真剣な目でじっと見つめる。
大きな瞳で、吸い込まれそう。


「あっ、すまない」


はっ!と、我に返った櫻井さん。


「どうかしましたか?」

「いやっ、何でもないよ」


車を降り、2人で店に入った。


「ただいま」

「お邪魔します」

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