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知らない世界

第34章 覚悟

徐々に回復してきているとはいえ、まだ歩くのには支えがいる。
部屋まではいつも大野が付いてくる。


「潤、起きていますかね?」

「遅くなったからな、寝てるかもな」


部屋に入るとテレビの音が聞こえてきた。


「潤、起きてるみたいですね」


リビングに入ると、携帯を握りしめ、ソファーにもたれて眠っている潤がいた。


「おいおい、起きて待ってるって言ってたのに、可愛い顔してがっつり寝てるよ」

「兄貴、何か食事の支度してありますよ」

「腕が痛いはずなのに・・・
冷蔵庫にしまっておいてくれないか?」

「はい」


眠っている潤の髪と頬を撫でた。
・・・がしかし、全く起きる様子がない。


「これくらいの時間で起きてられないなんて、まだまだガキだな」

「無理して料理したり、部屋の片付けしたりして疲れたんじゃないですか?
部屋もほら、きれいになってますよ」

「ったく・・・
大野、潤をベッドまで連れていってくれないか」

「はい。
でも起きないですかね?」

「まぁ、起きたら起きたときだよ」


抱き上げられても全く起きる様子のない潤。


「何の話しか知らないけど、この様子じゃあ明日だな」

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