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知らない世界

第35章 盃

「きっ、気持ち悪い・・・トイレ!」

「潤、大丈夫か?」


トイレまで俺はもうダッシュっ!
しばらくこもった。


「どうかしたのか?」

「あっ、兄貴。
若の部屋から出てきたら、急に気持ち悪いってトイレにこもりだして」

「・・・よく考えたら、あいつ酒の飲むの初めてだったよ。
量は少なくても、一気に飲んだからな。
潤、大丈夫か?潤・・・あっ潤、大丈夫か?」


水を流し、真っ青な顔をしてトイレから出ると、思わず座り込んでしまった。


「おい、おい潤大丈夫か?
大野、こいつを連れていってくれ」

「はい」


俺は大野さんに抱えられ、キッチンまで連れていってもらった。


「にわか知識だけで俺達をここまで動かすとは、度胸があると言っていいのか・・・」

「ほら潤、冷たい水でも飲め」

「ありがとう・・・ございます」


若い人がコップに冷たい水を入れてくれた。
飲み干すとそのままテーブルに突っ伏した。


「櫻井の兄貴、そう言えば潤、未成年ですよね」

「そうだけど何だ?」

「あの・・・酒飲んでよかったのかなって」

「・・・あっ!
テメェコノヤロ、酒なんか飲みやがって」

「イテッ・・・コノヤロ、何で叩くんだよ」







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