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知らない世界

第35章 盃

「これからが大変だと思うけど、俺にできることがあれば、遠慮なく言ってこい。
お前の、自分の店を持つって夢も、叶うように俺がいろいろ教えていってやるからな」

「ありがとうございます。
大将には感謝しきれないくらいお世話になってしまって・・・」

「前にも言ったけど、以前櫻井さんに世話になった、そのお礼を今してるだけ。
これから時間があれば、一緒に買い出しも行くといい」

「はい、ありがとうございます」


開店時間になり、暖簾をかけに外へ出た。


「あっ、潤君だ!」

「こんばんは、お久しぶりです」

「ずっといないから、辞めちゃったかと思ったよどうしてたの?」

「いゃぁ・・・ちょっとケガしちゃって。
それでお休みしてたんです。
どうですか、寄ってきませんか?」

「今日はこれから接待でね。
明日来るよ。待っててね」

「はい、お待ちしてます」


中に入り、扉を閉めると、すぐに扉が開いた。


「いらっしゃいませ」

「今、潤君の姿が見えたから、帰ろうと思ったけど寄っちゃった」

「ありがとうございます。さぁどうぞ。
ビールでよかったですか?」

「あぁ、お願いね。
また飲みに来る楽しみができたよ」

「俺、また毎日来ますから、来てくださいね」


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