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知らない世界

第36章 さみしくて

ケガもすっかり良くなり学校に復帰、それをきっかけに自動車学校にも行きかけた。
ただこれが言われていた後遺症なのか、普段の生活には何も問題はないけど、いざとなると力が入らない。
自分の体が支えられないときもある。
バイト中もたった1本のビールが握れなかったり、落としそうになったりするときがある。


「あれから病院いってないから、一度行ってこようかな?」


こんなことじゃ、自分で店をもってもやっていけない。
ちゃんと治さないと。


「おぉ坊主、久しぶりだな。
あっ、もう坊主なんて呼んだらダメだったな」

「えっ、別にいいですよ。俺も言われ馴れましたから」

「お前、若頭と(盃)かわしたんだろ?」

「先生の耳にも入ってるんですね?」

「入るに決まってるだろ?
あの組の連中は、何かあるとうちの病院に来るからな。
外科なのに、風邪引いてもうちに来る。
まぁ、医者だから見ることは一応できるけどな」

「来てはいろいろ話してくんですね」

「連中は、俺んとこがなかったら、みんな今頃どうなってるか・・・
ところで今日はどうした?
ケガしてるようすもないけど」

「ケガはもういいんですけど、ときどき力が入らなくなるんですけど、これって後遺症ってやつですか?」

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