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知らない世界

第36章 さみしくて

「神崎さんが来ちゃうから、今は駄目だよ」

「お前が可愛いこと言うからだろ」


また軽くチュッ!として、またカップに手をのばした。


「翔さんさぁ、俺に黙ってることあるだろ?」

「黙ってること?
ん~・・・別にないけどなぁ」

「また組の方が慌ただしいと言うか、バタついてると言うか・・・」

「大野か?どこまで聞いた?」

「ちげぇよ。
別に誰に聞いた訳じゃないけど、俺だって前よりかはみんなと関わらせてもらってるから、何となく雰囲気でさ・・・」

「お前にはかなわねぇな・・・
そうだよ、お前の言う通りちょっとな」

「みんな大丈夫なの?」

「今のところはな。
今は情報を集めているところだよ」

「情報って?」

「かたぎのお前がそこまで知らなくてもいいんだよ。お前は早く店が持てるように勉強してればいいの」

「この前病院に行ったとき先生に、盃かわした限り、ある意味お前はかたぎじゃないみたいなこと言われて・・・
俺もそれを聞いて“確かに・・・”なんて」

「余計なことを・・・
でもケガも治って何で病院に行ったんだ?」

「それは後で・・・
だから、俺にだって聞く権利と言うか、あるはずでしょ?」


少し難しい顔をして、煙草に火をつけた。





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