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知らない世界

第5章 仲直りのお礼

学園祭で縁日なんて、正直ベタだけど、たぶんみんな同じ事を思ったのだろう。


ーこいつの口から縁日なんて・・・ー


二宮の意見に同感なのか、逆らうのが怖かったのかはわからないけど、全員一致でクラスは縁日をやることになった。
自分の意見を緊張しながら話す二宮は、ケンカばかりしていた姿が想像できないくらい。


「・・・と言うのはどうかなぁ」

「いいんじゃねぇ?
面白そうじゃん、やってみようぜ」


ずっと黙っていた俺も声をあげると、賛成の拍手が全員からなった。


「では、このクラスは縁日に決まりました」


振り返り俺の顔を見る二宮は、凄く嬉しそうだった。
細かい打ち合わせも、積極的に参加。
基本、面倒くさがりの俺も、そんな二宮の姿を見ていたら、協力してやってもいいかなって思うようになった。

これをきっかけに、二宮はクラスのみんなとうちとけていくようになった。


「二宮・・・」

「何、松本」

「よかったな」

「・・・うん。ありがとう」

「別に、俺は何にもしてないよ」

「俺、小さいときは友達に“かず”って呼ばれてだだ。
よかったら、かずでいいよ」

「俺も潤でいいよ」


嬉しそうに話し合いのまとめをしている。

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