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知らない世界

第37章 いやな客

あれからあのお客は来なくなった。
あの目付きの悪い男も来ない。


「大将あの・・・何かお客さんを減らす事させちゃって、すみません」

「いいんだよ。
あんなことする客は、来てもらわなくていいよ。
それより、とくに身の回りでかわったことはないか?」

「とくにはないですけど・・・
大将、どうかしました?」

「あの目付きの悪い連中、来ないのはいいけど、あの言葉がどうも気になってな」

「そんな遠い日の事じゃないって言葉が、俺も正直気になってます。
どういう意味なんだろう・・・って」

「名張の関係でなければいいんだけどな」


それは大将に言われなくても思っていること。
俺がそれを一番願っている。
襲われる恐怖、あんな思いもうしたくない。


「今日も何か作ってみるか?」

「いいんですか?」

「何でも経験、勉強だよ」


今日もお袋がよく作るつまみを作ってみた。


「お前、学校行く必要ないんじゃないか?
旨いよ。これ出そう」

「ありがとうございます」


今日もおすすめメニューに“潤のおつまみ”が書かれた。
時間になり店はオープンした。
そしていつものように常連さんで賑わい、あっという間に閉店の時間になった。











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