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知らない世界

第37章 いやな客

「はいっ、おまたせで~す」


持っていけと言われても、カウンターで目の前のお客さん。


「えっ!?注文してな・・・」

「シ~・・・俺からサービス」


大将が小さな声で言っている。


「大将ありがとう」


さりげなく大将の目が、あのお客に向いた。
困っている俺を助けるためだったみたい。


「ありがとうございます」

「いいってことよ。
ところで潤、あの客にまた何かポケットに入れられたよな・・・出してみろ」


言う通りにポケットから出した。
握ったと言うか、摘まんだ感触が少しグニョっとした。


「これなんですけど・・・」

「開けるぞ・・・!!
これははっきり言わないと、諦めないタイプかもな・・・よし!」


包みを開けるとそれはなんとコン◯ーム。
さすがに背中に寒気が走った。


「あ~あ、誰ですか?
うちの可愛い従業員のポケットに、こんなもの入れたお客さんは・・・
潤は俺の大切な知り合いから預かっている子。
手を出されては困りますよ」


そう言って、おすすめメニューが書いてあるところに、それを貼り付けた。


「おいおい誰だ誰だ?
いくら潤君が可愛いからって、男の子だぞ!」

「おっ、お勘定」


そのお客は、そそくさと帰っていった。


「大将、ありがとうございます」





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