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知らない世界

第41章 襲名披露

大野さんが部屋を出てしばらく翔さんと話してると、またドアを開けようとする音がした。
その直後、銃声と共に叫び声が響いた。


「おいっ、大野・・・どうした、何があった!」

「翔さんいっちゃダメ!」


様子を見に部屋を出ようとする翔さんを引き止めた。
ドアが思い切り開き、そこには逃がしてやった一人と、始末した名張の若頭のあの女がドスを手に立っていた。


「お前・・・
せっかく潤の厚意で逃がしてやったのに」

「それは・・・」

「お久しぶりね。
2代目組長になったようで・・・」

「お前は・・・」

「本当なら私が2代目のあんたの隣にいるはずだったのに、そんなガキにその座をとられるなんて屈辱でしかないわ」

「妄想するのは勝手だけど、そう言う妄想は迷惑なんだよ」

「うるさい!絶対に許さない。
何ビビってるのよ。やっちゃいなさい」


ビビりながら拳銃を向ける男。
その時、足をケガした大野さんが飛び込んできた。
それに気を取られた男に翔さんが、飛びかかり銃を持つ手を掴んだ。
女は俺のベッドに詰め寄ってきた。
俺は痛みをこらえ、ベッドから降りた。


「潤!」


ーバンッ!ー


一瞬俺に気を取られた翔さんは、男に腹を撃たれその場に崩れ落ちた。


「翔さん!」


翔さんに近づこうとする俺に女が寄ってきた。
大野さんが女を後ろから掴んだものの、体勢を崩し 背中を刺された。


「大野さん!」

「兄貴!」

「2代目!」


若い人もケガをした腕や足を押さえながら部屋に入ってきた。
男はビビりながら発砲した。
俺を守ろうと這うように近づき、その翔さんを守ろうと大野さんが腕を伸ばす。
そして2人は動かなくなった。


「あぁぁぁ・・・」


それを見た俺は大きな声で叫んだ。
そして気が付いたら、俺はベッドの上にいた。

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