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知らない世界

第6章 最悪な学園祭

学園祭当日。
去年と違って今回は週末とあって、生徒の家族がたくさん来ている。
学園祭らしく、凄くにぎやかだ。
俺達クラスの出し物は縁日とあって、弟や妹なんかがたくさんやってくる。


「いらっしゃいませ!」


手作りの法被をみんなで着て、お客さんの対応をする。
俺は兄弟がいないから、小さな子の扱いがわからない。


「すみませんお兄ちゃん、これいいですか?」

「おっ、やるか?
じゃあここに・・・もっと前からでいいぞ」


お兄ちゃんて・・・
何か背中がむずがゆくなるけど、ちょっと嬉しかったりして。
何とか小さなお客さんを、こなしていった。

あいつ、かずも笑顔でお客さんの対応に追われている。
他のクラスのみんなとも、問題なくうまくやっている。
俺の力なんてもういらないよな。
特別何もしてはいないんだけどね。
だからこれからは俺じゃなく、他の連中があいつの家に遊びに行くことが多くなるだろうな。


「もうあの人に会うこともなくなるだろうな」


俺が勝手に行かないくせして、勝手に淋しがってる俺って、何か女々しいよな。


「俺って・・・バカ」


そんなことを考えながら、お客さんをこなしていると、教室の外のざわつきに気が付かなかった。


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