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知らない世界

第8章 打ち上げの日に

「潤を家まで送っていってくれないか」

「はいっ、わかりました」

「いいよ、1人で帰れるから。
忙がしいのに、俺大丈夫ですよ」

「いいよ、遠慮すんなって。
手伝ってもらったお礼だよ」

「すみません・・・じゃあ、お願いします」

「鍵と免許証持ってくるから、玄関で待ってて」


ヤ⚪ザなのに、ちゃんと免許証持っていくんだ。


「お待たせ」

「お願いします・・・じゃあかず、またな」


玄関で櫻井さんに合った。


「潤、帰るのか?」 

「あっ・・・はい・・・」

「今から行くところがあるから、俺が送っていくよ」


どっ、どうしよう。
送ってもらうってことは、え~と・・・
車の中でその・・・降りるときなんかに、またキスなんかされたりしちゃうのかなぁ・・・


「大丈夫っすよ、兄貴。
今日、俺帰るんで送ってきます」

「そっか・・・じゃあ、よろしくな」


引くんかい!


「潤、乗って」


この人に代わって、俺を送ってくれるのかと思って、ドキドキしたよ。
ドキドキするのって、思いのほか体力消耗するんだぜ。
ドキドキした時間と体力を、俺に返せ!

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