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風俗課に配属されました

第37章 五十嵐歩の恋愛事情①

「歩に外してほしいの」

毎度のことながら
この瞬間だけは背筋が寒くなる。

マスクを外すと左の頬に
8センチ程の傷跡が現れる。

「ただいまのキスは?」

傷跡を労るように撫でながら唇を重ねる。

「女の匂いがする」
「……気のせいだろ」
「間が空いたね。どこの女?」
「電車で隣に座ったのが女だった」

俺がこの女……妙子の顔に
傷を負わせてしまったせいで
こんなことを5年間繰り返している。

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