夜空は百合の花を狂気的に愛す
第2章 オトギリソウ
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陽向は試合での作戦会議を終えてから試合に出る前にユリお手製のレモンの蜂蜜漬けを1つパクリと口に含む。
酸っぱくてけれど甘い。
今の陽向の気持ちにピッタリだった。
ユリに自分の想いを伝える日なんて一生こないと思っていた。しかし、先程自分の不安を汲み取って1番に応援してくれた彼女を見てどうしても自分のモノにしたいと思ってしまった。
振られたっていい。単純なユリのことだ。好きと言われたら自分のことを意識しだすかもしれない。
ああ、もう早く想いを伝えたい。
振られるかもしれない告白を待ち遠しく思うなんて俺変だなと笑いながら、バスケットシューズに足をいれる。
その時、何か違和感を感じた。
けれどすぐにチームメイトに呼ばれて陽向は走り出した。
これから自分がどうなるかも知らず、全てを知る2つの悪魔はクツクツと嗤っていた。