夜空は百合の花を狂気的に愛す
第3章 ムラサキツユクサ
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双子SIDE
今宵もまた同じ顔をした2人の少年は少女を囲むようにベッドにいた。
いつもと違うのは少女の服が乱れ、ほぼ裸に近いところだろうか。
夜と空はユリの服を直そうともせず、その美しい裸体に釘付けだった。
ユリの涙を流しながら意味もわからずイかされる様ときたら…思い出して2人は身震いをする。
「まさか、あれだけで意識失っちゃうとはね。ユリは本当に可愛いな〜」
「今日は危なかった」
「だよね。俺もユリが意識失ってなかったらもうヤっちゃってたもん。」
「ヤるのは俺が先だよ」
「はー?そこは兄の俺でしょ。」
「関係ない」
ユリを挟みながら、ユリの処女をどちらが先に貰うか論争する2人。
まさか自分の知らないところで自分の貞操が危ぶまれてることなど露も知らないユリはスースーと寝息を立てている。
「てか、俺怒ってんだからね?水族館の時、抱き合ってイチャイチャしちゃってさ」
「なら夜だって出てくれば良いでしょ。最初から見てたくせに。」
「あ、やっぱ空にはバレてた?俺がユリを1人にする訳ないからね。別れたあとも普通にユリをつけてたら、空のとこにつくからびっくりしたよ」
そうそうあの時は〜なんて語り出す夜に冷めた目を送る弟。
「それにしても今日のはちょっと危なかったんじゃない?」
「なんのこと?」
わかっているくせに知らないフリをする夜に呆れ気味に溜め息をつく。