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☆時計じかけのアンブレラ☆

第10章 always

――――――

ある日、俺とかずは些細なことで喧嘩をしてしまった。

土日のレッスン時には、いつも駅で待ち合わせをしてから一緒に行ってたんだけど、その日は違った。

喧嘩中だったから、日曜日の朝、俺は駅から1人でレッスン所に向かっていた。

しばらく歩くと交差点に、誰かと待ち合わせをしているような自転車に乗った20代くらいの男の人がいた。

俺は気にも止めずにその人の前を通り過ぎた。

しばらくすると、その人が俺を追い抜いていって、俺の行く先で止まった。

俺は再びその人の前を通り過ぎた。

何なんだこの人、と思いながらも歩いていたら、何か後ろに気配を感じた。

その瞬間。。


殴られる―――!
俺は咄嗟に手で頭を覆った―――





でも、そうじゃなかった。

後ろから尻を触られた。



変質者だった。

そいつは一目散に自転車を飛ばして逃げて行った。

俺は声をあげることもできず、怖くて泣いた。

レッスン所の先生にも友達にも言えなかった。

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