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☆時計じかけのアンブレラ☆

第14章 虹

「かず……、驚かないで聞いてね」

「?」

「……赤ちゃんができた…かも」

「…え?」

「最近、なんか気持ち悪くて…、食欲もないし…、もしかしたらと思って検査薬で調べてみたの。そしたら…」

「俺の子だよね…?」

「そこっ!?当たり前じゃんっ」

「…いつから?気持ち悪かったの?」

「2週間前くらいかな…」

「で、調べたのは?」

「……今日」

「なんで言ってくれなかったの!?」

「…だって、かずに話して、なんて言われるか怖かったから…」
潤くんの瞳から涙が溢れてきた。

「別れる、とか堕ろして、って言われると思ったの?」

「…うん。もしかしたら…って…」

「そんなこと言うわけないでしょうよ!嬉しいよ。好きな人との子どもだもん」
俺の言葉に潤くんはハッとした。


「…かず……、黙ってて…ごめん」

「ううん。俺も……気づけなくてごめん」

潤くんはふるふると首を横に振る。

どちらからともなくぎゅっと抱き合った。



「…かず、……抱いて」

「…身体、大丈夫なの?」

「…うん」

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