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☆時計じかけのアンブレラ☆

第17章 同じ空の下で

「潤くん……。
そうやって、何でも一人でやろうとしないでよ。
俺、父親だよ?俺だって助けになりたいよ」


潤くんは黙ったまま、唇を真一文字に結んで俺を見つめる。


「だって、子育てって二人でするもんでしょ?

俺、頼りないかもしれないけど…、頼ってよ……」


やがて、瞳に滲んでいた涙が零れ落ちた。


「……俺、かずがいなくても…一人で出来るって思ってた。

自分でもいっぱいいっぱいになってるのに気づかなかった……。

かずが…、仕事忙しいの見てるから、迷惑かなって……」

「迷惑じゃないよっ」

「だって…、夜中にひよが泣いたとき『うるさいなぁ』って…」

「…ごめん。でも迷惑なんてこれっぽっちも思ってない」

「ほんと…?」

「だって、ひよりは我々二人の子どもでしょ?
それに…、潤くんの方が大変だよ」

俺は、ふるふると首を横に振る潤くんの手を取った。


「潤くん……。
俺も気づくようにするけど、大変なときは言ってね?

潤くんみたいにはできないけど、出来ることは精一杯やるから」


コクッと頷く潤くんの涙を拭って、優しく抱き締めた。


「かず……、ありがと」


潤くん

もう、一人で悩まないでね。

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