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☆時計じかけのアンブレラ☆

第17章 同じ空の下で

side N


―――数週間後。

年末、地方での最終公演が終わってホテルに帰ってきた。

ひよちゃんも寝かしつけて、窓辺に並んだ椅子に座り2人で飲んでいた。

「かず、ここ大丈夫?ほんとにかさぶたになってる(笑)」

潤くんが自分の唇の下を指差しながら言う。

それは、この公演中に取れた俺の顎のほくろのこと…。

それがシャワー中に取れて排水溝に流れていったもんだから驚いた(笑)。

「てか潤くん、さっきの。あれはずるいよ(笑)」
「あぁ、あの『ニノ、俺はほくろがないキミも好きだ』って言ったやつ?
ほんとのこと言っただけだけど?」

こんな風に、潤くんはたまに公の場で愛を叫んでくれます。

すげー嬉しいんだけど、ちょっと恥ずかしい(笑)。



眼前に広がる星空とキラキラした街並みを見下ろしながら。


「疲れたね」

「うん、、でも幸せだね」

「それは我々の環境がってこと?」

「うん。こうしてみんなが待っていてくれるのもそうだし、かずとひよと一緒にいられるのも幸せってこと」

「ふふっ。そうだね」


潤くんのキレイな横顔を見つめてた。

それに気づいて潤くんが振り返ると、照れたように微笑った。



薄暗い照明の光の下、重なる影。




「かず、……セックスしたい」

潤くんが頬を紅潮させて言うから。

拒めるわけないでしょ。



潤くんの頬を撫で、再び唇を重ねた。

「…ん、っ」

「いつもと違うシチュエーションて興奮するよね」

「……ッ////」





そのまま二人、甘い時間に溶けていった……。

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