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☆時計じかけのアンブレラ☆

第2章 復活LOVE

side M

かずに嫌われた。

最低だ…俺。

前作のドラマで共演した人達と飲んでいて、相談を受けたりしてた。熱くなりすぎて、かずに連絡するのを忘れていた。

かずはどれだけ寂しい思いをしてたんだろう。

普段あまり口に出さないから、相当我慢してたんだろうか。

俺がもし逆の立場だったら、と思うと胸が苦しくなる。




家を出てタクシーを拾い、某テレビ局の近くで降りて海岸まで来た。

ちょっと前に、収録の後かずと2人で歩いたっけ。
夜だったから、手を繋いで…。

そんなことを思いながら、浜辺に腰を下ろした。

俺は…、3か月間、かずの何を見てきたんだろう。

わかってたつもりだった。でもかずはあんなに傷ついてた。

結局何もわかってなかったんだ…。

自分に腹が立って、涙が溢れてきた。

押しては返す波をしばらく見ていた。




どれくらいここにいたんだろう。

朝日が昇り始めていた。
(帰ってかずに謝らないと…。)


自宅のマンションに着くと、車からブランケットを出してそれに包まりながら、玄関前でドアが開くのを待っていた…。

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