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☆時計じかけのアンブレラ☆

第17章 同じ空の下で


そんな潤くんに喜んでもらいたくて。

「かず、これどうしたの!?」
「どうしたのって、作ったのよ。前に、飯作るって約束したでしょ?」

今年の二人の記念日は、ひよちゃんもまだ小さいから、ウチでゆっくりお祝いしようかってことになって。

早く帰れたから料理の腕を振るった。

メインとおかずを数品。

「かず、すげぇ!カンペキじゃん」
「へへっ。俺にしては頑張ったよ」

大好物の生姜焼きを前にテンション上がりまくりな潤くん。

「ぅん!んまい!

これ……No.1っ」

「出ました!久々に聞いた!やったー(笑)」

腕を振るうとはいっても、俺には手の込んだものなんて作れないから(笑)。

やっぱり潤くんの好きなものがいいかなぁって思ったの。

「さすがかず!天才シェフ役してただけあるっ」

「まぁね(笑)」

「たまに『ニノさん』でも料理したりしてんじゃん」

潤くんが言ったのは『ニノさん』の企画、ホンヤクキッチンのこと。

英語で書かれたレシピを翻訳しながら料理を作り、最終的にその料理名を当てるというもの。

「んー。あれが料理って言えるのかわかんないけど。俺ほぼ作ってないし(笑)」

「あれ、面白いよね」

「じゃあ潤くん、俺と一緒に出てよ」

「あ、でも翻訳はムリだわ(笑)」

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