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狭い試着室
前は鏡、仕切りはカーテンだけ
日曜という事もあり周りは大勢のお客さ
んで賑わっていた

みんな買い物に夢中だが
もしバレたら…


明「早く出てけって、誰かに見られたら
どうす…」

久志「一人じゃ着られないだろう」

明「はぁ？何言ってんだよ」

久志「だから」

明「！？」


何を考えてるのか
久志は明の背中に手を回し
ゆっくりワンピースのチャックを下ろし
ていった


久志「手、届かないだろう？」

明「わっ、わかったよ！！わかったから
お前は外出てろよ…」

久志「何で？」

明「何でって…それは…！？」


目を合わせられなくて
視線を逸らし首元に目をやった時
欝すら浮かぶ赤い痕を見つけた、それは
まさしく…


明「キスマーク…」

久志「何、どうかしたか？」

明「…」

久志「明？」

明「…何でもない」

久志「何でもないって顔じゃないだろう
言いたい事あるなら言えよ」

明「…」


言いたい事、言いたい事って何だ？
自分は何を言いたいんだ
久志に何を…