僕は君を連れてゆく
第10章 この、相、相、相、相、相 ラブ ユーを♡
そうだ。
俺は食器を洗いながら泡だらけの手で告白したんだ。
それに…
俺たちが恋人になるきっかけ。
俺を心配してくれるのはそこがきっかけだからだ。
俺が言いたいことを言えるように。
スマホをだして、
=俺が行く。=
それだけ、メッセージの残して相葉さんの家に向かった。
インターホンを押すが応答がない。
まだか。
遅くなるって言ってたもんな。
どうしよ…
マンションの前に腰かけた。
携帯でゲームに熱中してたら雨が降ってきた。
「マジか?」
充電もなくなりそうだし、エントランスの屋根があるとこまで移動した。
風がでてきて屋根があっても雨が入ってくる。
部屋着のまま来たから寒い。
まだかな…
相葉さん。
対面の道路が光に照らされた。
光はだんだん、近づきマンションの前にタクシー
が止まった。
相葉さんが降りてきた。
バシャバシャと道路を渡って。
「ニノ?大丈夫?待っててくれたの?」
やっぱり、俺だけに聞こえるように耳元で話しかけられて…
相葉さん…
頭を撫でてくれた手を取り抱きついた。
相葉さん…
相葉さん…
「おかえり。」
「ただいま。ニノ。」
そうだ。
そうだ。
このぬくもりを感じることが出来るのは
この世界中で俺だけ。
俺だけの相葉さん。
「部屋に行こう?風邪ひいちゃうよ?」
「うん。」
手を繋いでエレベーターを待って。
ギュッと握った手に力を入れたら相葉さんが
俺を見て、ニコって笑ってもっと、強い力で
ギュッと握ってきた。
そうなんだ。
これが相葉さんなんだ。
どうして、来たのかとか、聞かないんだ。
あんな風に外で抱きつくなんて、俺らしくないのにそれでも、理由を聞いてきたりはしない。
ただ、その優しい顔で俺を見つめてくれるんだ。
玄関の鍵を開けて先に俺を入れて相葉さんも
後から入ってきて背中からギュッと抱き締められた。
「ニノ…。」
「ん…」
「濡れちゃったね…」
「…お風呂はいろ?」
「一緒に?」
こんな恥ずかしいことを自分から言うなんて…
でも、あんな風に思ってしまう自分が嫌で
嫌いで仕方ないけど、こんな俺を好きになってくれた相葉さんのために自分が自分を好きにならなくちゃ…
「一緒に。」
「お風呂…だけじゃ、すまないかもよ?」