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僕は君を連れてゆく

第10章 この、相、相、相、相、相 ラブ ユーを♡


すぐにそのまましゃがんで
「どした?やけどした?」

行かないでなんて、言えなくて。

ジッと相葉さんを見つめた。

「ん?」

好きだなんて、言えなくて。

「お茶、足りない?」

頷いた。

冷蔵庫に行って麦茶の入ったポットを持ってきて
コップに注いでくれた。

そうして、俺が食べ終わるまで隣にいてくれた。

「ご馳走さま。」

手を合わせて相葉さんを見たら、
目尻のシワはさらに深くなっていて、
「やっぱり、美味しいよね?俺もこのうどん好き。
ロケしててさ、いつも考えちゃうんだ。
この味付けならニノは食べれるかな?とか。
このままだと、ニノは食べれないなぁとか。
で、気が付いたんだけど俺がロケで食材を持って帰ってくる基準が、ニノなの。」

なんだって?

どーだって?

「ニノが食べれるもの。
ニノが食べたいもの。
ニノに食べさせたいもの。
これが、基準になってた。なんでだろうね?」

なんでだろうねって…

それって…

そういう気持ちって…

俺と同じなんじゃ…

気がついてないの?

だから、こいつはバカなんだ。

相バカ。

「なんでだろうねって…俺に聞かれても…」

「うんうん。そうだよね。ニノに聞いてもね。
じゃぁ、言ってもいい?」

「え?」

「なんでだろうね、の、理由。」

「お前、風呂入れよ!食器は俺が洗っておくから‼」

聞きたくなくて、
聞く心の準備が、できなくて。

風呂に相葉さんを押し込めた。

食器を洗いながら相葉さんのことを考えてた。

なんで、好きなんだろ。

バカなのに。

にしても、マジで上手かったなうどん。

料理の手際が良くなっていて驚いた。

「俺に食べさせたいって…ンフフ。」

『愛を叫べ』の鼻唄を歌いながら食器を
洗う。

「この、相、相、相、相、相 ラブ ユーを♡なんて…」

頭のなかでそう変換して唄った…

「俺は大好きだぜ‼相葉さん~♡」

と、口に出して決めポーズしたら相葉さんがいた。

あっ!

え?

口に出して…

「あの…」

「ニノも…わかるでしょ?俺の気持ち?」

この顔も…

真っ直ぐに俺を見る顔。

嘘をつけさせないこの顔。

「好き。相葉さんが好き!」



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