僕は君を連れてゆく
第14章 おおきなかぶ
風に乗って、家に戻ってきました。
「楽しかったね。」
「えぇ。とっても。」
「かぶはどこに行ったんだ?」
あんなに頑張って抜いたかぶが風の中をフワフワしている間にどこかにいってしまいました。
「どうしよ…」
「どうしましょ?」
そうです。
あのかぶを町に売りに行かないと夏、遊ぶことが出来ないのです。
「俺、海行きたかった!」
「俺はBBQしたかった!」
まさきや潤はブスっとして小言を言っています。
かずなりは…
「俺はいいよ。海嫌いだし。」
「困ったわ。」
翔ばぁさんは困ってます。
「よしっ!」
智じぃさんは立ち上がりました。
「何するの?」
「また、植えればいいんだ!」
「かぶを?」
「菜っ葉でもなんでも!」
「一からやればいいんだよ。」
「おじいさん…♡」
翔ばぁさん、智じぃさんのこの言葉にメロメロです。
「はいはい…どうぞ!ご勝手に!」
「結局、ばぁさんはじぃさんに甘いんだから!」
「夜は3人とも出ますんでご自由に!」
「おぅ!もぅでてけ!」
翔ばぁさんの腰に腕を回した智じぃさん。
翔ばぁさんはうっとり、身をまかせています。
「いつものことだな。」
「うん。夏は期待できないぞ!」
「バイトしよ…」
〈End〉